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ガラスの紙?ロールに巻ける超薄板ガラスSPOOL!ガラスの本は作れるか? [科学]

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紙より薄いガラス


SPOOLというガラスをご存知だろうか?
旭硝子(AGC)が開発した世界最薄の超薄型ガラスだ。

実に厚さ0.05mml、50ミクロン。
これがどれくらいの厚さなのかというと・・・レジで貰えるレシートと同じ位か、それより薄い。
ちなみに、お札は0.1mmなのでその半分の厚さ。

想像してもらえるとわかるが、とんでもなく薄い。
そして危ない。割れたガラスが危険なのはだれでも知っているが、紙ですら手を切れてしまうのだ。
適切な角度でスパッといけば人の首くらい飛んでしまうかもしれない。

まあ、その前にフニャッとなってしまうだろうが・・・ちなみに、こんな感じ。

communication02_01.jpg

ガラスというかフィルムだ。
これだけで薄ければ、どんなものにも取り付ける事ができるだろう。

透明性を活かして電子機器などに使われるのは勿論のこと、
耐熱性を活かして断熱素材として使うこともでき、
高い耐薬品性から化学物質の保管・防護、絶縁体として活用することも考えられる。

とは言え、これだけ薄いガラスというのは扱い方を間違えると非常に危ない。
この薄さのガラスが「単独で」身近で使われるのはまだ先だろう。

仮に紙の本のように電子データをガラスに写せて、文字通りの電子書籍を作れたとしよう。
そんな紙のように薄いガラスを束ねて作られた本を読み終わることには、手がズタズタになっている事は間違いない。

薄いガラスというのは、脆く危険で単体では扱いにくいのだ。

では、なぜこの薄いガラスが注目されるのだろうか?

世界でトップクラスのシェアを誇る旭硝子の技術力を示せたからだろうか?

そうではない。もっと実用的で、意外な理由があった。

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「巻ける」事の強み


消費者的な目線ではなく、工業や生産効率的な目線の話になるが、
紙がどうやって運ばれるか知っているだろうか?

コピー用紙の様に?ノートのように?
確かに市場に出回る直前は、四角い紙が縦に重ねられるが・・・その前はほぼ間違いなく巻かれている。

大きな模造紙などは巻かれた状態で売っているが、
コピー用紙も元はあの数倍は大きな紙を裁断して作られている。

当たり前だが、大きな紙のロールを一度にたくさん作って、
用途に応じて切り分けた方がコスト的には安く済む。

さらに、もう一つ大きなメリットとしてあげられるのが強度だ。

新聞紙を丸めて長い棒にしてちゃんばらをした経験が男性なら一度くらいはあるだろうが、
円形と言うのは非常に強度が高い。

ちょっとした衝撃で破れたり折れたりする紙も、何十にも丸めることで人を殺せるレベルの硬度になる。

それはガラスも同じだ。

板状のガラスは、コピー用紙の束のように重ねて輸送され、
板のまま加工して使われる。

これをシート・ツー・シート方式と呼ばれるが、
これがガラスの場合は輸送が実に危険で、荷降ろしや積み込みで傾けてこぼれれば大惨事。
人が死ななきゃラッキーとも言える、危険な作業。

これがロール状のガラスであれば、何の心配もいらない。
最悪転がしたっていいかもしれない。

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とは言え、薄いままでは使えない。

そこで、使う直前に重ねる。

複合素材などの言葉はよく聞いたことがあるだろうが、
強度や性質の違う材質の物を組み合わせることで、高い強度を持つようになる。

強化ガラスや上部なガラスは、ほぼ間違いなく複合ガラスだ。
ロールのままで輸送し、ロールのままで加工する。
ロール・ツー・ロール方式と呼ばれる手法は、紙や布などの柔軟性の多い素材で使われるが、
ガラスでも同じ方式での加工が可能になる。

これが超薄板ガラスの本当の利点だったのだ。

勿論、徐々に薄いガラスが市場に広まってくる事は間違いないが、
実感できる日はもう少し遠いかもしれない。

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