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6人分の生皮を剥いだらひと財産

 アメリカはマサチューセッツ州にて、病院から人間の皮膚を盗み出したかどで一人の男が逮捕された。男は再生医療によって作りだした体組織を販売している会社に務めていて、被害に遭った病院にも皮膚組織を卸していた。盗まれたのはきっとその一部なのだろう。

 これを報じたテレグラフ誌によれば、被害総額は357,000ドル、1ドル101円換算で36,057,000円にのぼる。けっこうな額である。

 ところで闇市場での皮膚の売値は約2.54平方cmあたり10ドルほどに上るらしい。身長170cm、体重60kgほどの人間の体表面積は1.695平方mぐらいなので、このレートでいけば人間一人の皮膚をごっそり剥げば、多少のロスを考えても、60,000ドルはかたい(計算が間違っていなければ、だけど)。6人分も売りさばけば、ちょうどこの事件の被害総額に達する。

 もちろん、再生医療において使われる体組織は培養設備や感染症予防、品質管理もろもろのコストがかかり、それだけ単価に影響するであろうため一概に比較はできない。さすがに人の生皮6人分は手に余るはずだから、きっと盗んだものの単価はもっと高く、持ち去る量は少量ですんだのだろう。再生医療によって培養された体組織が闇市場に流れ込んでいる可能性を考えるとなかなか面白いけれど、詳しいことはわからないので何も言わないことにする。

20120424priceforbodyparts01.jpg

 闇市場での単価はmedicaltranscription.netというサイトに掲載されていたインフォグラフィックスを参考にした。ちょっと前のものなので、今の相場が変動している可能性は否定できない。けれど見てみれば他にもさまざまな体の部位に値が付けられていて、ざっと見れるだけでも人間はなかなか金になるんだなあと思える。

 むかし、アメリカで髪の毛の売買が行われていると何かで読んで、もしかしたら売れないだろうかと思いながら髪を伸ばしていたことがあった。結局売らずじまいに終わったが、普段伸びたら切って捨てている髪の毛が金になるというのはちょっとした驚きだった。体の一部に限らず、普段なんとも思っていないものが実は売り物になったりするという例は古今にいくらも見られる。普段何気なくゴミ箱に捨てているものについて考えをめぐらせるのは、たまにはいいことなのかもしれない(いつもやっていると疲れる)。







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