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なぜ使わない?エボラ出血熱の治療薬一覧、「アビガン・ZMapp・TKMエボラ」 [ニュース]

WHOはエボラ出血熱のワクチン開発・配布を年明けだと発表しているが、治療薬の面では既に一定の有効性を認められている薬品がいくつかある。
富士フィルムの「アピガン(ファビピラビル)」、米国Mapp社の「ZMapp」、カナダのテクミラから「TKMエボラ」など、既に開発が完了しているものだけでもこれだけある。

ワクチンは予防、治療薬は治療用というの差があるにしても、既に候補の多い治療薬の配布が遅れているのは何故だろう?

深刻な臨床試験不足


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治療薬のほとんどが、臨床試験不足が原因で大規模な配布が出来ずにいる。

まず、富士フィルムの「アピガン」だが、これは本来インフルエンザのために作られたものであり、エボラ出血熱に効くというハッキリとしたデータは出ていなかった。あくまで理論上のものだったが、服用者の一部が回復した事から一定の効果はあると思われる。
しかし、副作用のリスクもある薬品で、薬の効果で治ったのかどうかをはっきりさせるまで、大規模には使えないだろう。


次に米国の「ZMapp」だが、これも十分な臨床試験が行われていない。
ただ、これはエボラのために開発された治療薬であり、サルなどの実験では有効性が確認されている。
しかも、極低温で保存しなくてはいけないなどの欠点があり、これらの欠点が治らない限り、西アフリカでは使いにくい。
原材料がタバコの葉から抽出されていると言う話もあり、量産に不向きな治療薬でもある。


そして、カナダのTKMエボラだがこれも臨床試験がまだだ。
他の薬品とは違って、エボラの患者に投与された実績も今のところはないため、すぐには使われないだろう。
ただ、量産体制も整えているため、効果が確認出来次第すぐに配布できるかもしれない。

臨床試験の難しさ


開発の終わっている薬品がここまでありながら、臨床試験が進まず、承認が出ないために量産が出来ないと言う製品が多い。

日本のアピガンやカナダのTKMエボラなどは、量産が可能な製品で使い勝手も悪くない。
承認が出次第、ある程度の規模で治療薬を配布できる。
しかし、臨床試験が出来ないために、スタートを切れていない。

というのも、臨床試験をするためにはプラシーボ効果を除外する必要があり、そのためには同じ環境の患者に何の効果もない薬を配らなくてはいけない。
しかし、エボラは発症したら極めて短期間で死に至る。プラシーボ効果が出ない事を確認した後に、本当の薬を投与する余裕はない。

そのため、偽薬確認無しに臨床試験のための治療薬を配布して治ったとしても、それが薬の効果であると確定させられるまでにはかなりの量のデータが必要になる。プラシーボと本薬でこれだけの差が出ましたと言えれば簡単だが、それが出来ない場合は、投与されない患者と投与された患者で有意な差が無くてはいけない。

プラシーボなんて……と馬鹿にするかもしれないが、エボラには薬が効かない分患者の免疫力が頼りになる。
プラシーボ効果も馬鹿にならず、エボラの治療では、効くか分からなくてもプラシーボを期待して何らかの風邪薬を投与することもあるらしい。それが逆に、本当に効く薬がどれなのかわかりにくくしているのだ。


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