「パンドラの煙幕」チャフに代わるカーボンファイバーの妨害煙幕となり、フレアと組み合わせ艦船を守る [ニュース]
カーボンファイバー製煙幕
カーボンファイバーと言うのは炭素繊維であり、軽くて丈夫なのが特徴だ。
本来はそれを強固に組みあわせてプラスチックや金属の代わりに使うのだが、これをチャフ(電波欺瞞紙)と言う小さな金属片に置き換えてしまおうと言うが今回の兵器の特徴だ。
炭素繊維であるカーボンファイバーは、金属片であるチャフより「軽い」ので、遠くまで広がり、そして空中に残り続ける。
チャフは言うなれば紙吹雪であり、煙にはならず、それより遥かに小さい繊維は時に煙状にすることも出来る。ちなみに、この煙幕は繊維をばらまいているのであり、繊維を燃やしているわけではない。
そして重要なのが、この繊維はレーダーを乱反射させる効果があるということ。
今までは金属片をばらまいてレーダー波の妨害を行っていたが、金属片をレーダー波の波長に合わせなくてはならず、効果は限定的だった。しかし、今回のパンドラの煙幕は、かなり広範囲に渡って波長をカバーしている上に効果範囲も広く、ミサイルに対する妨害効果は非常に高いようだ。
パンドラの煙幕
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フレアと組み合わせることで効果は増大
現在普及しているミサイルの追尾方式にはいくつかある。
カメラ誘導、レーダー誘導、赤外線誘導、レーザー誘導などが有名だが、
この煙幕は正しく使えば、レーダー誘導とレーザー誘導に対しては効果的に妨害できるはずだ。
カメラ誘導の場合には、誘導者の腕次第で何とかなりそうな煙幕量なのでなんとも言えないが、少なくともレーダー波やレーザー波を吸収してしまうパンドラの煙幕であれば、半分の追尾方式はなんとかなる。
問題は赤外線誘導だが、これにはフレアを使って妨害するのが一般的だ。
フレアは赤外線(熱)を発生させる物体(金属粉を燃やしながら散布)であり、広範囲に散布することで熱を追いかけルタイプのミサイルを妨害する事ができる。
戦闘機などもそうだが、通常ミサイルの追尾を受けた場合、レーダー誘導方式にはチャフを使い、赤外線誘導方式にはフレアを使う。
これは艦船でも同じであり、広範囲にフレアを散布できる装置などが開発されている。
自衛艦しりたかのフレア
接近戦の時代に?
現代の海戦や空戦は、基本的には見えない位置からミサイルを撃ちあうだけの戦いだ。
レーダーやステルス性能、ミサイルの性能が勝敗を分ける。
逆に言えば、レーダーやミサイルを無力化できれば、今までの戦争の形が大きく代わることを意味している。
ガンダムなどのSF作品では、ミサイルの撃ち合いをしなくなった理由にレーダーの無効化技術を根拠にしていた。
パンドラの煙幕がどれだけの効果があるのかは未知数だが、今までのチャフやフレアの気休め程度の妨害効果よりは高い事は間違いない。
ミサイルも進化するのは間違い無く、すぐに接近戦の時代が来るというわけではないだろう。
しかし、戦争の形は新しい技術の開発で簡単に変わってしまう。
ネットワークが新たな戦場と定義され、各国が軍備を整えている様に、戦争の形は時代と共に変わり続ける。
いつかまた、戦闘機や戦艦が目視距離で撃ちあう時代が来るかもしれない。
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そして重要なのが、この繊維はレーダーを乱反射させる効果があるということ。
今までは金属片をばらまいてレーダー波の妨害を行っていたが、金属片をレーダー波の波長に合わせなくてはならず、効果は限定的だった。しかし、今回のパンドラの煙幕は、かなり広範囲に渡って波長をカバーしている上に効果範囲も広く、ミサイルに対する妨害効果は非常に高いようだ。
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現在普及しているミサイルの追尾方式にはいくつかある。
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カメラ誘導の場合には、誘導者の腕次第で何とかなりそうな煙幕量なのでなんとも言えないが、少なくともレーダー波やレーザー波を吸収してしまうパンドラの煙幕であれば、半分の追尾方式はなんとかなる。
問題は赤外線誘導だが、これにはフレアを使って妨害するのが一般的だ。
フレアは赤外線(熱)を発生させる物体(金属粉を燃やしながら散布)であり、広範囲に散布することで熱を追いかけルタイプのミサイルを妨害する事ができる。
戦闘機などもそうだが、通常ミサイルの追尾を受けた場合、レーダー誘導方式にはチャフを使い、赤外線誘導方式にはフレアを使う。
これは艦船でも同じであり、広範囲にフレアを散布できる装置などが開発されている。
自衛艦しりたかのフレア
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現代の海戦や空戦は、基本的には見えない位置からミサイルを撃ちあうだけの戦いだ。
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逆に言えば、レーダーやミサイルを無力化できれば、今までの戦争の形が大きく代わることを意味している。
ガンダムなどのSF作品では、ミサイルの撃ち合いをしなくなった理由にレーダーの無効化技術を根拠にしていた。
パンドラの煙幕がどれだけの効果があるのかは未知数だが、今までのチャフやフレアの気休め程度の妨害効果よりは高い事は間違いない。
ミサイルも進化するのは間違い無く、すぐに接近戦の時代が来るというわけではないだろう。
しかし、戦争の形は新しい技術の開発で簡単に変わってしまう。
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いつかまた、戦闘機や戦艦が目視距離で撃ちあう時代が来るかもしれない。
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